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==歴史== ''→詳しくは、[[AVTuber関連年表]]を参照。'' ===前史(〜2018年)=== インターネットにおけるアイドル活動の試みは既に1996年段階で始まっており、ホリプロがプロデュースした、3DCGによるDK-96こと「[[伊達杏子]]<ref>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E9%81%94%E6%9D%8F%E5%AD%90</ref>」などがその最も初期のものといえる。この源流をたどると1994年の「ときめきメモリアル」、1989年の[[芳賀ゆい]]<ref>https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B3%E8%B3%80%E3%82%86%E3%81%84</ref>(1989年11月1日〜1990年10月11日)の影響をみることができ、「バーチャルな姿でしか活動しないものの、実在するアイドル」という概念そのものは、インターネットの一般化よりもかなり早い段階で産まれていることがわかる。 のち、2001年2月14日に「バーチャルネットアイドル・ちゆ12歳」が登場し一大ブームとなる。この段階で、「ネットアイドル」という言葉、および「バーチャル」という言葉が、少なくともインターネットを日常的にたしなむ層には認知されていたといえる。 その他、2005年2月15日に[[YouTube]]が設立され、同2005年12月15日サービスがローンチする。YouTubeそのものの構想は2004年のスマトラ島地震津波の動画がシェアされなかったことの教訓として設立されたといわれているが、初期は著作権者の承諾なく、著作権で保護されたコンテンツがアップロードされるアンダーグラウンド・無法地帯的色彩が強かった。この状態は、2006年11月13日にGoogleによってYouTubeが買収されることにより段階的に解消し、2007年5月には動画で収益を得ることが可能になる。 アンダーグラウンド的色彩が強かったYouTubeがGoogleの買収によりクリーンになり、またクリエイターがマネタイズできるようになったことから、YouTubeは違法な動画をアップロードしてシェアする場所というよりもむしろ、クリエイターが競ってユニークな動画をアップロードする場へと変質していく。有名どころで言えばHIKAKINが動画収入を自らの生活の基盤と据えた年が2012年である。 他方、技術的側面からは、人間のジェスチャーをキャプチャする技術が民生用に活用された例として、Microsoft Kinectがアメリカで2010年11月4日に発売されている。ごくプリミティブなものでいえばWiiリモコン(2006年)なども挙げることができるほか、空想的なイメージで言うと「ソードアート・オンライン」の原作小説は2002年からウェブで連載されているため、身体全体または首周辺のキャプチャを行ってアバターを動かすという技術そのものはさほど突飛なものとはいえないし、また古くから<ref>前述の「伊達杏子」も既にモーションキャプチャ技術を用いている。もっとも、一度動かすために数百万円の経費がかかったといい、個人で参入するにはハードルが高かった。現在も複数人同時に、タイムラグや処理落ちをせずモーションを全て拾うためには一度の使用料が数百万円かかるような大がかりなスタジオが必要であることには変わりない。</ref>(民生用ではないにせよ、少なくとも実験室レベルでは)実用化されてはいたものである。また民生用という意味で言えば、「にじさんじ」のアバター動作の技術的基盤となっているアニ文字(Animoji)がiPhone X(2017年11月3日発売)に搭載されたことも特筆される<ref>また、当初にじさんじはこれを公開のアプリとして誰でもバーチャルのアバターが動かせるようにするという構想であったが、後に方針を変更している。</ref>。これはそもそもバーチャルYouTuberの登場を予期ないし予定した技術ではないものの、一般的に普及する端末で「やや立体的な二次元キャラクターを動かす」ということを可能にしたことで画期といえる。 とはいうものの、実際にそれが「バーチャルYouTuber」という形で結実するのは、2016年のキズナアイの誕生まで待たれることとなる。また、個人勢も含めた多様な「バーチャルYouTuber文化」とよばれるものが形成されたのは、ねこます(活動開始2017年11月9日〜)が2017年12月5日にネットライターのにゃるらによって紹介されたことによりバズったことをきっかけとするものであり<ref>それまでキズナアイは「サイバーパンク」的文脈によって、日本というよりはむしろ海外の視聴者によって「発見」され、かつ支持されてきた歴史がある。この点で言えば、2017年末〜2018年初頭にかけての「日本人ユーザーによるキズナアイの“発見”」は海外に後れを取っていた。</ref>、これによって「バーチャルアバターがYouTubeなどで活動する」という文化が勃興し、この文化は、後述のように、2018年以降目まぐるしく展開していくことになる。 ===AVTuberの段階的発祥(2018年~2020年)=== ''→[[黎明期におけるAVTuberの発祥と展開]]および[[ポータルプロ#沿革]]も参照。'' バーチャルYouTuberの黎明期からアダルトコンテンツに親和性の高いバーチャルYouTuberは存在しており、2018年2月14日デビューの'''[[万楽えね]]'''などが代表にあたる。この2018年は後に「バーチャルYouTuber四天王」と呼ばれる五人に加えて、にじさんじ一期生、ホロライブ0期生がそろい踏みするなど「バーチャルYouTuber元年」とも呼ぶべき年であった(それはまた、バーチャルYouTuberを題材としたR18二次創作もジャンルとして成立していったことを意味する)。 なお、デビュー直後の万楽えねは「喘ぎながら壺おじゲーをやったり」「性器を模したキャラクターが出てくるゲームをやって」その結果YouTubeチャンネルをBANされて、逆にそれで有名になっていたとの証言が残っている[https://x.com/vxtuberkarin/status/1637913709703233536]。更に、それから約1か月後の2018年3月29日にバーチャルリアリティアダルト情報サイト「VR18」に掲載された記事[https://vr18.jp/archives/10573 BAN上等のバーチャル生エロ配信でFC2送りに!バーチャルYoutuber勃興期に股間を盛り上げるアダルトVTuber特集]において、万楽えね、[[Karin]](後の[[バーチャル風俗店X-Oasis]]経営者)、アンナ、ヨシヒ子の4人が「アダルトVTuber」として紹介されている<ref>ただし紹介記事の内容から判断して、実際に性行為を行う配信者として「アダルトVTuber」を定義しているわけではないと思われる。</ref>。 こうして、実際の性行為を伴わないが性的表現・話題を積極的に扱う「プレAVTuber」とも言うべき配信者たちが規制に抗いながらも活動を始め、VTuberを扱ったR18二次創作も増加の一途をたどり、VTuber文化の中に「エロ」の要素が無視できない規模と勢いで拡大していったなか、2018年6月16日には同人コスプレAVで当時から広く名の知られた存在だった[[ピンキーweb]]氏により、「架空のVタレント事務所・ポータルプロダクション」とそこに所属する「成人向けのお仕事」も可能な「架空のVタレント・つむぎ」の設定資料が公開され[https://x.com/pinkyweb_tw/status/1007683033032343552]、現在的な意味でのAVTuberの形が徐々に成立していった<ref>ポータルプロはこの2018年6月16日を「設立記念日」としている[https://x.com/pinkyweb_tw/status/1927741170169557363]。</ref>。 その翌2019年にAVTuberは更に大きく前進。2019年4月5日に[[ポータルプロ]]・'''[[つむぎ]]'''がデビューし、現在も続く「アダルトコンテンツを配信するVTuber」という意味での「AVTuber」の原形を示した。これは、確認できる限りVTuberの技術を使ってアダルトコンテンツを配信した最初の例と考えられている。 さらに、2019年7月29日に'''[[柚木凛]]'''がデビューし、[[万楽えね]]同様セクシー系VTuberとして活動していたが、翌2020年1月7日に「'''AVデビュー'''」を表明し、そのツイート内で「'''アダルトVTuber'''」の語を使用した<ref>柚木凛 2020年1月7日のツイートにて[https://x.com/Rin_Yuzukich/status/1214526663582597120]</ref>。更に同年2月10日には柚木凛の所属先である[[えもえちプロダクション]]が「AVTuber」の語を自称として使い始めた[https://x.com/emoechi_pro/status/1226807215631134720]。 一方海外では、2020年2月7日に'''[[プロジェクトメロディ]]'''が配信を開始<ref>アカウント登録は2019年7月7日に行われている。</ref>し、VTuberの身体を持つカムガールという、日本で言うAVTuberと同等の活動を始めている。 ===AVTuberの発展(2020年~)=== 2020年4月21日、[[PinkPunkPro]]が設立。 2020年7月29日、[[バーチャル風俗店X-Oasis]]がサービス開始。 2021年10月、[[withny]]がオープン。待ち望まれていた新プラットフォームが誕生した。 一方で2022年には、[[colorful magic]]が炎上の末、年末に活動休止を発表するなどトラブルも発生した<ref>https://yutura.net/news/archives/85457</ref>。 2023年11月26日、withnyによる世界初のR18メタバースイベント[[withny Festa]]が開催。 2023年12月31日には、英語圏で初の「AVTuber」を名乗るグループ・[[VAllure]]が始動。英語圏で「AVTuber」の語を使った初の例となった。 ===YouTube周辺から成人向けプラットフォームへの分化(2020年~2022年)=== AVTuberの配信場所や収益源は、当初から[[YouTube]]以外を模索する動きが強くあった。これは、成人向け表現やASMRに対するプラットフォーム側の規約運用が厳しいためにアカウントBANが頻発し、性行為表現をする以上はYouTube以外を模索せざるを得ないという構造的な問題に起因している。 この環境下で2020年~2022年にかけてのAVTuberが確立したのは、 *無料公開・健全寄り配信でリスナーを勧誘する場所……(YouTube、[[Twitch]]、[[ニコニコチャンネル]](+含む)など) *成人向け本編・有料配信・会員向けアーカイブを置いてマネタイズの主力とする場所……([[FC2]]、[[Fantia]]、[[Ci-en]]など) を分ける運用だった。これは規制逃れという一面はあるものの、プラットフォームごとの規約差を踏まえたビジネスモデルの最適化でもあった。YouTube中心で拡大発展した一般VTuberと異なり、当初から分散配信モデルで発展したという点に、AVTuberの歴史的・構造的特徴がある。 しかしながら、この分散配信モデルも順風満帆とは言えなかった。健全配信を心がけていてもYouTubeにおいては少なからぬAVTuberがBAN対象となり、TwitchはYouTubeよりはBAN率は比較的低めだがBANされないわけではない。またFC2においても従来から言われているコメント欄における「治安の悪さ」に加え2024年6月21日以降にあったBAN頻発問題によって(当該記事にて記載)一部のVtuberを除き退去が相次いだ。Fantiaもポータルプロ関係で原因不明の不可解な凍結が頻発するなど完全に安泰ではなく、Ci-enは規約上実写投稿を厳しく制限しているため2.5次元AVTuberは門前払いに近い。 このような中、移住先として[[withny]]と[[RPLAY]]は比較的安定しており、親AVTuber的な運営方針も相まって、AVTuber配信プラットフォームのデファクトスタンダードの地位を占めている。 ===withny・RPLAYの台頭とAVTuber経済圏・文化圏の確立(2023年~)=== ※主に日本での状況を記述している点に注意。 2023年ごろからAVTuber史で特筆すべき点としては、[[withny]]や[[RPLAY]]のような親AVTuber的なプラットフォームの台頭が挙げられる。 「セクシーライバーへ新たな活動を、視聴者へもっとライバーと繋がれるエンタメを」というコンセプトを掲げるwithnyは、2021年10月のサービス開始当初はAVTuberに限らず成人向け配信者全般を対象に、リスナーが装着するおもちゃを配信者が操作する有料配信を基本に据えたサービスを展開していた。しかし2023年前半頃からAVTuberの無料配信(リスナー連動おもちゃを用いない)が増加し始め、それに伴いwithny側も従来のビジネスモデルからの転換を模索し始める。その結果が、2023年11月22日にリリースされた「キャストアイテム連動機能(キャストが装着したおもちゃをリスナーが連動させる)」<ref>当初は「”さくらの恋猫アイテム連動”機能」としてリリース。</ref>と、同年11月26日に開催されたAVTuberによるアダルト系メタバースフェス・第1回[[withny Festa]]だった(詳細は各記事を参照)。これらの施策によりwithnyは完全に「親AVTuberシフト」に転換し、以後「AVTuber配信プラットフォームのデファクトスタンダード」の地位を確立するに至る。 一方のRPLAYは「あなたの『推し』が見つかる! Vtuber、ASMRから同人音声まで推し活を楽しめるコミュニティサイト」というコンセプトを掲げ、当初からAVTuberにフォーカスした施策を打ち出している。RPLAYにはwithnyのようなキャストアイテム連動機能こそないものの、クリエイター支援のためのサブスクリプションを備えるほか、配信と並んでコンテンツ販売機能を軸とした収益構造を持っている。動画販売などにも注力したい場合は有力な選択肢となり、AVTuberの多様な収益構造の構築に寄与している。実際、[[こねくとぴあ]]やえもえちプロダクションはRPLAYを積極的に活用して事業を展開している。 この「親AVTuber的なプラットフォームの台頭」はAVTuber史的にかなり重要である。なぜなら初期AVTuberは、YouTubeやFC2などの既存の配信基盤を「転用」して活動していた側面が強かった。これは既存インフラの多数のユーザー層をターゲットにできるメリットがある反面、界隈外部の論理による圧力に翻弄されるデメリットもあった(上記参照)。外部の論理に抗し得る安定的な活動環境の確保はAVTuberにおける構造的な問題として存在していた。 このような状況で台頭してきたwithnyとRPLAYは、AVTuber界隈における経済的・文化的構造を決定的に転換した。AVTuber優先の論理で動く配信・収益化インフラが確立したことにより、AVTuber界隈は小規模ではあるが外部から独立した独自の「財布」を持つに至ったのである。これにより成立した「AVTuber経済圏」は専用インフラを持つ独自市場へと変化し、外部の論理に対する強い抵抗力を持つに至った。この経済的な独立は文化的な自立を最終的に決定づけ、AVTuber文化を一般VTuber文化圏の「裏面」「派生」「周縁」から、異なる市場条件で別系統に進化した独自の「AVTuber文化圏」へと転換させた。 ===どの時点で「AVTuber」の初出と言えるか=== ''→[[黎明期におけるAVTuberの発祥と展開]]も参照。'' どの時点でAVTuberという現象の始点であるかについてはある程度論争がある。 *2018年2月14日の[[万楽えね]]のデビューの時点 *2019年4月19日の[[つむぎ]]の初配信<ref>デビュー日を基準と考えて始点を4月5日と考えることもできる。</ref> *2020年1月7日の[[柚木凛]]の「AVデビュー宣言」「アダルトVtuber」<ref>https://x.com/Rin_Yuzukich/status/1214526663582597120</ref>もしくは同年2月10日の[[えもえちプロダクション]]による「AVtuberプロダクション設立宣言」 *2020年4月26日のexciteニュースの記事に登場する「業界初の“AVTuber” 」<ref>https://www.excite.co.jp/news/article/E1587633926106/</ref> *2020年2月7日の[[プロジェクトメロディ]]の初配信<ref>こちらもプロジェクト開始を基準とすると2019年7月7日となるが、いずれにせよ「つむぎ」より後である。</ref> VTuberの技術力という点では「つむぎ」よりも「プロジェクトメロディ」の方が優れているが、しかし「つむぎ」が性的な配信をしたことをもってAVTuberの歴史の始まりと考えるのが自然である。また、柚木凛の「AVデビュー宣言」から続くえもえちプロダクションの「AVtuberプロダクション設立宣言」は事例としては後発だがAVTuberを広く「自称」した初出であることを考えると、[[柚木凛]]の「業界初(日本初)のAVTuber」という名乗りは(自称としては初めてという点に着目した場合は)間違いではない。また、今日的なAVTuberの定義からはやや外れる2018年当時の万楽えねも、攻めた配信活動でAVTuber誕生に至る道を切り拓いたことは厳然たる事実であり、その歴史的意義は決して軽視してよいものではない。 また、AVTuberの歴史は特定のVTuber一人によって全てが始まったのではなく、 *2018年の万楽えねによってVTuber自身がエロを大っぴらに扱う流れが始まり *2019年に[[ポータルプロ]]がつむぎをデビューさせたことによりAVTuberの基本的な概念が確立し *2020年に[[えもえちプロダクション]]が柚木凛を企業勢アダルトVTuberデビューさせたことにより本格的にマネタイズが確立した という、徐々にAVTuberが発祥していった「段階的AVTuber発祥論」とも言うべき見方を採ることも可能である<ref>ただし当時の一次史料がポータルプロ関連のものを除き散逸が激しいため、客観的に論証することは難しい。</ref>。<br> [[ファイル:段階的AVTuber発祥論.png]]
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