AVTuber
AVTuberとは、主に成人向け動画の配信を特徴とするバーチャルYouTuber(VTuber)の一種である。「アダルトバーチャルYouTuber[1]」の略称。
AVTuberの一覧については、AVtuber一覧、グループについてはグループ一覧などを参照。また、運営などの裏方の人物やその他の関係者についてはAVTuber関係者一覧を参照。またそもそもVTuberとは何かについてはVTuberを参照。
AVTuberとは[編集 | ソースを編集]
バーチャルYouTuberと同様のアバターを持ち、成人向け動画の配信・販売を特徴とするバーチャルYouTuberのことをAVTuberと呼称する(下記「AVTuber Wikiでの扱い」も参照)。
その特徴は、突き詰めて言うなら「VTuberでありながら性的な配信をする」ところにあるが、この特徴のために「素顔や肉体を晒さない」というVTuberの原理原則を逸脱する者が多い。
例えば、首から下をwebカメラで映しながらオナニー配信をする等の行為もAVTuber界では比較的よく見られるものであるが、その点、爪や手の様子すら映さないよう手袋で配信するVTuberが多いことを考えると、非常に特徴的であるといえる。
もっとも、AVTuberと呼称するにあたっては、少なくともアバターの存在が必要であることに異論は少ない。従って、いくら首から下が見えているとしても、基本的に二次元の姿(立ち絵、Live2D、3Dモデル等)がない配信者は、単純に「アダルト配信者」と呼ばれるにとどまる。
また、多くのVTuberと同様、姿・素顔・地肌を晒さないAVTuberも多数存在する[2]。「露出しているか否か」はAVTuberの定義には特に入らない(下記定義参照)。
AVTuberの定義[編集 | ソースを編集]
先述のように「少なくともアバターがあり」、かつ、「性的な配信をしている・動画を出している」のがAVTuberである、といえる。
ここで、多くのAVTuberを紹介している「AVtuberどエロライフ」の記述を引用すると、
AVtuberはまだ登場したばかりで、個々人で定義が曖昧なカテゴリーと認識しております。
当サイトでは2022年11月時点で以下の三つのいずれかに該当すればAVtuberと定義しております。
1.健康器具や胎内回帰など性的な配信をしている。
2.アダルトコンテンツ(R18)を提供している。
3.AVtuberと自称している。
しかし早々にカテゴリーを否定してしまい申し訳ありませんが、もっとも肝心なことは客観的に致せるか否か、抜けるか否かとも考えております。肩書きや名前に惑わされず、シンプルで根源的なそれを、我々は忘れてはなりません。[3]
のように定義づけられる。
しかし、「バーチャル風俗店X-Oasis[4]」のように風俗店活動をメインとし、配信を主としないような、「1」の定義からやや離れるAVTuberグループも存在する(とはいえwithny festaへの参加などその実態はAVTuberに十分近い)。
なお、この定義に照らすと、一切性的な配信をしていなくても、「AVTuber」と自称していれば「AVTuber」なのだと言うこともできる。逆に、AVTuberの定義に該当しそうではあるが、本人の希望や自称として、あくまでもVTuberと呼ばれたいという例も見かけられる。このため、「AVTuber」と呼んで良いのかどうかはややセンシティブな話題ではある(下記「AVTuber Wikiでの扱い」も参照)。
英語圏での名称[編集 | ソースを編集]
英語圏では日本で言うAVTuberに相当する語として、lewdtuber(lewd:エロい、わいせつな)などの表記も見られるが、あまり一般的ではない(このカテゴリに当てはまるVTuberとしてプロジェクトメロディなどが挙げられる)。一方でVAllureのように「AVTuber」という語を使う例も見られる。
表記揺れ[編集 | ソースを編集]
「AVTuber」と「AVtuber」の表記揺れが見られるが、どちらでも通用するものと考えられる。AVTuber Wikiにおいても、「AVTuber」表記の方が多いものの、一部「AVtuber」表記となっている[5]。
歴史[編集 | ソースを編集]
→詳しくは、AVTuber関連年表を参照。
バーチャルYouTuberの黎明期からアダルトコンテンツに親和性の高いバーチャルYouTuberは存在しており、2018年2月14日デビューの万楽えねなどが代表にあたる。この2018年は後に「バーチャルYouTuber四天王」と呼ばれる五人に加えて、にじさんじ一期生、ホロライブ0期生がそろい踏みするなど「バーチャルYouTuber元年」とも呼ぶべき年であった(それはまた、バーチャルYouTuberを題材としたR18二次創作もジャンルとして成立していったことを意味する)。
なお、万楽えねデビューの約1か月半後の2018年3月29日にバーチャルリアリティアダルト情報サイト「VR18」に掲載された記事BAN上等のバーチャル生エロ配信でFC2送りに!バーチャルYoutuber勃興期に股間を盛り上げるアダルトVTuber特集において、万楽えね、Karin(かりん、後のバーチャル風俗店X-Oasis経営者)、アンナ、ヨシヒ子の4人が「アダルトVTuber」として紹介されている[6]。
こうして「プレAVTuber」とも言うべき配信者たちが規制に抗いながらも活動を始め、VTuberを扱ったR18二次創作も増加の一途をたどり、VTuber文化の中に「エロ」の要素が無視できない規模と勢いで拡大していったなか、2018年6月16日には同人コスプレAVで当時から広く名の知られた存在だったピンキーweb氏により、「架空のVタレント事務所・ポータルプロダクション」とそこに所属する「成人向けのお仕事」も可能な「架空のVタレント・つむぎ」の設定資料が公開され[2]、現在的な意味でのAVTuberの形が徐々に成立していった[7]。
その翌2019年にAVTuberは更に大きく前進。2019年4月5日にポータルプロ・つむぎがデビューし、現在も続く「アダルトコンテンツを配信するVTuber」という意味での「AVTuber」の原形を示した。これは、確認できる限りVTuberの技術を使ってアダルトコンテンツを配信した最初の例と考えられている。
さらに、2019年7月29日に柚木凛がデビューし、万楽えね同様セクシー系VTuberとして活動していたが、翌2020年1月7日に「AVデビュー」を表明し、そのツイート内で「アダルトVTuber」の語を使用した[8]。これがAVTuberの語句の(現在使われている意味での)初出とみられる。同2020年2月10日には、えもえちプロダクションに所属することを発表した(詳しくは柚木凛も参照)。
この柚木凛の「AVデビュー宣言」のツイートをもって(それまで「セクシー系」「淫乱」「エロVTuber」など様々な呼称があったVTuberに対する呼称としての)「AVTuber」という語が一般に広まることとなり、一挙に「AVTuber時代」が幕を開けたといえる。
しかし、YouTubeにおいてはAVTuberは多くがBAN対象となり、当初いわゆる健全なVTuber同様にYouTubeをメインの収益源と考えていたAVTuberの運営は、YouTube以外の収益源を模索せざるを得なくなった。その中でTwitch・FC2へ移住をしていたが、TwitchはYouTubeよりはBAN率は比較的低めだがBANされないわけではない。また2024年6月21日以降にあったFC2における問題によって(FC2にて記載)一部のVtuberを除き退去。プラットフォームの移住先としてwithnyやRPLAYへの移住、Ci-enやFantia、ニコニコチャンネル(+含む)等での月額課金に活路を見いだすなど、現在に至るまで試行錯誤が続いている。
海外では2020年2月7日にプロジェクトメロディが配信を開始[9]し、VTuberの身体を持つカムガールという、日本で言うAVTuberと同等の活動を始めている。
2020年4月21日、PinkPunkProが設立。
2021年10月、withnyがオープン。待ち望まれていた新プラットフォームが誕生した。
一方で2022年には、colorful magicが炎上の末、年末に活動休止を発表するなどトラブルも発生した[10]。
2023年12月31日には、英語圏で初の「AVTuber」を名乗るグループ・VAllureが始動。英語圏で「AVTuber」の語を使った初の例となった。
言葉としての「AVTuber」の起源[編集 | ソースを編集]
AVTuberの歴史は上述のとおりであるが、言葉としての「AVTuber」は2018年頃にはTwitter上で自然発生的に使われていた形跡がある。そして「AVTuber」の言葉の初出は、2018年2月14日にYouTubeに投稿された、ハロクリ所属企業系Vtuber・響木アオの自己紹介動画【自己紹介】響木アオです♡のコメント欄および同動画に言及したいくつかのツイートだと推測される[11]。
なお、AVTuberではない響木アオの動画が起源となった理由は、この動画が「新人デビューしたセクシー女優へのインタビューシーン」そのままのフォーマットで作られていたためだと思われる。
どの時点で「AVTuber」の初出と言えるか[編集 | ソースを編集]
どの時点でAVTuberという現象の始点であるかについてはある程度論争がある。
- 2018年2月14日の万楽えねのデビューの時点
- 2019年4月19日のつむぎの初配信[12](最有力説)
- 2020年1月7日の柚木凛の「AVデビュー宣言」(AVTuberという語の初出)
- 2020年2月7日のプロジェクトメロディの初配信[13](次点の有力説)
VTuberの技術力という点では「つむぎ」よりも「プロジェクトメロディ」の方が優れているが、しかし「つむぎ」が性的な配信をしたことをもってAVTuberの歴史の始まりと考えるのが自然である。ただ、他にも「AVデビュー宣言」がAVTuberという語句の初出であることを考えると、柚木凛の「世界初のAVTuber」という自称は決して間違いではない。また、今日的なAVTuberの定義からはやや外れる2018年当時の万楽えねも、攻めた配信活動でAVTuber誕生に至る道を切り拓いたことは厳然たる事実であり、その歴史的意義は決して軽視してよいものではない。
年表[編集 | ソースを編集]
→AVTuber関連年表を参照。
AVTuber Wikiでの扱い[編集 | ソースを編集]
AVTuber Wikiでは、自称の有無にかかわらず、「何らかのアダルトコンテンツを配信・販売しているバーチャルYouTuber」をAVTuberまたはその関係者として掲載しており、また、AVTuber本人のみならず関係者も掲載している。そのため、このWikiに収録されている人物は一般にAVTuberと呼ばれていない可能性もある。
一方で、個別記事では(できるだけ)自称を優先してAVTuberないしVtuberの呼称を使っている。そのため、個別記事では必ずしもAVTuberとして記載されているとは限らない(例えばRincaなどはXのプロフィールを優先してVTuber扱いとなっており、また、ささがにえんもは本人の指摘によりAVTuberではない扱いとなっている……が他AVTuberとのコラボの際AVTuberを名乗ったこともあり、このように呼称は必ずしも一定するわけではない)。
なお、掲載される人物については基本的に男女を問わない。
関連項目[編集 | ソースを編集]
注釈[編集 | ソースを編集]
- ↑ 「AVTuber」の「Tuber」はまぎれもなく「YouTuber」の略ではあるが、YouTubeの項を参照すると分かるように、YouTubeにもはや依存していないAVTuberが大半である。
- ↑ 逆にうっかり姿がネット中継に放映され、本人が追認するパターンも存在する。如月せり参照。
- ↑ https://avtuber.doerolife.com/what-is-avtuber/
- ↑ 2025年1月5日サービス終了。
- ↑ これは直そうとすると大変なので放置されている。
- ↑ ただし紹介記事の内容から判断して、実際に性行為を行う配信者として「アダルトVTuber」を定義しているわけではないと思われる。
- ↑ ポータルプロはこの2018年6月16日を「設立記念日」としている[1]。
- ↑ 柚木凛 2020年1月7日のツイートにて https://x.com/Rin_Yuzukich/status/1214526663582597120
- ↑ アカウント登録は2019年7月7日に行われている。
- ↑ https://yutura.net/news/archives/85457
- ↑ この日以前のTwitterを検索しても有意な結果が返ってこないため、この動画へのコメントが初出か、そうでなくとも初出に極めて近いと判断した。
- ↑ デビュー日を基準と考えて始点を4月5日と考えることもできる。
- ↑ こちらもプロジェクト開始を基準とすると2019年7月7日となるが、いずれにせよ「つむぎ」より後である。