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AVTuber

提供: AVTuber Wiki

AVTuber(エーブイチューバー)とは、主に成人向け(アダルト)要素を含む配信活動や動画制作などを行うバーチャルYouTuberVTuber)、またはその文化圏を指す広義の総称である。 「アダルトバーチャルYouTuber」の略称として用いられるが[1]、現在ではYouTubeに依存しない活動者も多く、語義は広がっている[2]

AVTuberの一覧については、AVtuber一覧、グループについてはグループ一覧などを参照。また、運営などの裏方の人物やその他の関係者についてはAVTuber関係者一覧を参照。またそもそもVTuberとは何かについてはVTuberを参照。

初心者向け説明

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この節では、初めてAVTuberという語に触れる読者向けに、基本的なポイントを簡潔にまとめる。また、概略図も合わせて掲載する。

  • どのような活動か?
バーチャルアバター(Live2D・3Dなど)を用いた成人向け配信や動画などの性的表現活動が含まれる。活動の幅は広く、軽度の表現から明確なR18まで多様である。
  • 一般VTuberとの関係は?
技術的には一般VTuberと共通するが、成人向け表現に関わるため、利用するプラットフォームや活動内容は多くの場合異なる。
  • どんなスタイルがあるか?
完全にバーチャルアバターのみで活動する形式から、実写とアバターを併用した2.5次元的な形式まで多岐にわたる。
  • いつ頃から存在する?
初期的な事例は2018年頃に見られ、2020年代に入ってジャンルとして認知されるようになった。

より詳細な定義・歴史・文化的背景などについては、以下の本文で詳述する。

AVTuberとは

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バーチャルYouTuber(VTuber)と同様のアバターを持ち、成人向け動画の配信・販売を特徴とするVTuberのことをAVTuberと呼称する(下記「AVTuber Wikiでの扱い」も参照)。

VTuberの最も基本的な定義が「バーチャルアバターを用いる配信者」であることを踏まえれば、AVTuberも広義のVTuberに含まれ、実際に技術的な共通性は高い。ただし後述のように、健全活動を基本とする一般VTuberとは経済的・文化的な隔絶が大きく、別系統進化した独自の存在となっている。

その特徴は、突き詰めて言うなら「VTuberでありながら性的な配信をする」ところにあるが、この特徴のために「素顔や肉体を晒さない」という一般VTuber文化の暗黙の規範に囚われない者が多い(2.5次元AVTuber)。

例えば、首から下をwebカメラで映しながらオナニー配信をする等の行為もAVTuber界では比較的よく見られるものであるが、その点、爪や手の様子すら映さないよう手袋で配信するVTuberが多いことを考えると、非常に特徴的であるといえる。

加えてこうした活動形態は、「バーチャルであること」と「現実の身体性」が同時に存在するという点で、一般VTuber以上に両者の境界が曖昧になりやすい形態であるとも指摘できる。すなわち、アバターによるキャラクター性と、現実の身体を用いたパフォーマンスが多層的に重なり合う点が、AVTuber特有の特徴である。

もっとも、AVTuberと呼称するにあたっては、少なくともアバターの存在が必要であることに異論は少ない。従って、いくら首から下が見えているとしても、基本的に二次元の姿(立ち絵、Live2D、3Dモデル等)がない配信者は、単純に「アダルト配信者」と呼ばれるにとどまる。

また、一般VTuberと同様に、徹底して姿・素顔・地肌を晒さずに活動するAVTuberも多数存在する[3]。つまり、一般VTuber文化の内部では強く作用する「素顔や肉体を晒さない」という(ある意味絶対的な)規範は、AVTuber文化では規範としての強制力を持たず、多様な活動方針の中の一つに過ぎなくなっている。

更に言えば、「肉体を露出しているか否か」はAVTuberを構成する一要素ではあっても、定義そのものを左右する必須条件ではない(詳細は下記の「定義」または別記事AVTuberの定義を参照)。

→別記事AVTuberの定義も併せて参照。

先述のように「少なくともアバターがあり」、かつ、「性的な配信をしている・動画を出している」のがAVTuberである、といえる。

ここで、多くのAVTuberを紹介している「えぶメディ」(旧・AVtuberどエロライフ)の記述を引用すると、

AVtuberはまだ登場したばかりで、個々人で定義が曖昧なカテゴリーと認識しております。

当サイトでは2022年11月時点で以下の三つのいずれかに該当すればAVtuberと定義しております。

1.健康器具や胎内回帰など性的な配信をしている。

2.アダルトコンテンツ(R18)を提供している。

3.AVtuberと自称している。

しかし早々にカテゴリーを否定してしまい申し訳ありませんが、もっとも肝心なことは客観的に致せるか否か、抜けるか否かとも考えております。肩書きや名前に惑わされず、シンプルで根源的なそれを、我々は忘れてはなりません。[4]

のように定義づけられる。

このように定義が厳密ではない背景には、AVTuberという概念自体が比較的新しく、またプラットフォーム規約や社会的受容の影響を強く受けながら変化してきた経緯がある。したがって、厳密な定義というよりも「実態に基づく緩やかなカテゴリ」として扱われることが多い。

一例として、「バーチャル風俗店X-Oasis[5]」のように風俗店活動をメインとし、配信を主としないような、「1」の定義からやや離れるAVTuberグループも存在する(とはいえwithny festaへの参加などその実態はAVTuberに十分近い)。

このような事例は、AVTuberという概念が「配信者」という枠を超え、キャラクターIPや疑似人格を軸とした成人向けビジネス全体へと拡張しうることを示しており、その意味からも「実態に基づく緩やかなカテゴリ」として扱うことが適切と言える。

なお、この定義に照らすと、一切性的な配信をしていなくても、「AVTuber」と自称していれば「AVTuber」なのだと言うこともできる。逆に、AVTuberの定義に該当しそうではあるが、本人の希望や自称として、あくまでもVTuberと呼ばれたいという例も見かけられる。このため、「AVTuber」と呼んで良いのかどうかはややセンシティブな話題ではある(下記「AVTuber Wikiでの扱い」も参照)。

英語圏での名称

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英語圏では日本で言うAVTuberに相当する語として、lewdtuber(lewd:エロい、わいせつな)などの表記も見られるが、あまり一般的ではない(このカテゴリに当てはまるVTuberとしてプロジェクトメロディなどが挙げられる)。一方で2023年末に始動したVAllureのように自ら「AVTuber」の呼称を採用した例もあり、日本発の文化としての「AVTuber」という言葉が、海外の成人向けバーチャル市場へ逆輸入される形で普及し始めている。

また、英語圏では「camgirl」など既存の概念との連続性の中で理解されることも多く[6]、日本のように「VTuber文化の派生や進化」として明確に区別されない場合もある。このため、同様の活動であっても文化圏によって認識のされ方が様々である点には注意が必要である。

日本国内におけるAVTuberに関連した商標については、2026年5月現在、登録が1件、出願が2件存在する。詳細についてはAVTuberと商標を参照。

表記揺れ

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「AVTuber」と「AVtuber」の表記揺れが見られるが、どちらでも通用するものと考えられる。AVTuber Wikiにおいても、「AVTuber」表記の方が多いものの、一部「AVtuber」表記となっている[7]

文化の交差点上のAVTuber

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AVTuberは、VTuber文化の内部で自然発生的に形成された成人向け表現の一分野であると同時に、複数の異なる文化圏が交差する地点にも成立した存在である。すなわち、

  • VTuber文化
  • 配信者文化
  • VR文化
  • アニメ・ゲーム文化
  • 同人(コスプレ)AV文化
  • アダルトライブチャット文化

といった、それぞれ独自に、あるいは相互に関連して発展してきた領域が重なり合うことで形成された複合的な文化形態である。

まず前提としてVTuber文化そのものが、YouTubeやニコニコ生放送に代表される配信者文化を基盤として成立している。VTuberがアバターを用いて配信を行うという形式は、従来の動画投稿・ライブ配信の延長線上に位置づけられるものであり、AVTuberもまたこの構造を共有している。実際、VTuberとは「デジタルキャラクターの姿で配信活動を行う存在」であり、配信主体としての性格が強い。

さらに、VTuber文化の成立にはVR文化の影響も大きい。VRChatなどに代表されるVR(メタバース空間)文化は、「アバターを通じた自己表現」や「身体性の拡張」という概念を先行して発展させており、3Dモデルを用いた活動や仮想的な身体の扱い方において、VTuberと高い親和性を持つ。

また、キャラクター表現の側面では、アニメ・ゲーム文化との結びつきが不可欠である。VTuberの多くは二次元的なキャラクターデザインや世界観設定を基盤としており、その受容や文法は従来のアニメ・ゲーム文化の文脈に強く依拠している。

これら複数の文化の交差点上で発生したVTuber文化の内部で、一般向けの「一般VTuber文化」と、成人向け要素を取り込んだ「AVTuber文化」は、同一の技術的・形式的基盤を持ちながらも、志向するコンテンツや配信プラットフォームなどの違いによるゾーニングを経て分岐・並立する関係にある。すなわち、両者は対立概念というよりも、「同一起源から分岐した並立文化圏」として理解するのが適切である[8]

一方で、性的表現の文脈においては、同人コスプレAV文化(およびその母体である同人AV文化)との連続性が指摘できる。キャラクター性や「設定」を前提とした成人向け実写表現、特定のフェティシズムに特化した制作スタイル、個人・小規模主体による自主制作・販売といった点は、AVTuberの活動様式と多くの共通点を持つ。また後述の歴史または黎明期におけるAVTuberの発祥と展開にあるように、AVTuberのジャンル成立過程において、同人コスプレAVは重要な役割を果たしている。

加えて、収益モデルやインタラクションの面では、アダルトライブチャット文化との関連も深い。性的表現におけるリアルタイムでのコミュニケーション、個別対応的なサービス、課金による親密な関係性の構築といった特徴[9]は、AVTuberの活動形態においても重要な要素となっている。また人材の面でも、アダルトライブチャット出身のAVTuberの例も見られる。

このようにAVTuberは、VTuber全体がそうであったように単一の文化から派生したものではなく、複数の文化領域が多層的に重なり合う「交差点」において成立した存在である。そのため、AVTuberの理解には、VTuber文化の一分野としてのみならず、周辺文化も含めた立体的な関係の把握が不可欠である。

→詳しくは、AVTuber関連年表を参照。

前史(〜2018年)

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インターネットにおけるアイドル活動の試みは既に1996年段階で始まっており、ホリプロがプロデュースした、3DCGによるDK-96こと「伊達杏子[10]」などがその最も初期のものといえる。この源流をたどると1994年の「ときめきメモリアル」、1989年の芳賀ゆい[11](1989年11月1日〜1990年10月11日)の影響をみることができ、「バーチャルな姿でしか活動しないものの、実在するアイドル」という概念そのものは、インターネットの一般化よりもかなり早い段階で産まれていることがわかる。

のち、2001年2月14日に「バーチャルネットアイドル・ちゆ12歳」が登場し一大ブームとなる。この段階で、「ネットアイドル」という言葉、および「バーチャル」という言葉が、少なくともインターネットを日常的にたしなむ層には認知されていたといえる。

その他、2005年2月15日にYouTubeが設立され、同2005年12月15日サービスがローンチする。YouTubeそのものの構想は2004年のスマトラ島地震津波の動画がシェアされなかったことの教訓として設立されたといわれているが、初期は著作権者の承諾なく、著作権で保護されたコンテンツがアップロードされるアンダーグラウンド・無法地帯的色彩が強かった。この状態は、2006年11月13日にGoogleによってYouTubeが買収されることにより段階的に解消し、2007年5月には動画で収益を得ることが可能になる。

アンダーグラウンド的色彩が強かったYouTubeがGoogleの買収によりクリーンになり、またクリエイターがマネタイズできるようになったことから、YouTubeは違法な動画をアップロードしてシェアする場所というよりもむしろ、クリエイターが競ってユニークな動画をアップロードする場へと変質していく。有名どころで言えばHIKAKINが動画収入を自らの生活の基盤と据えた年が2012年である。

他方、技術的側面からは、人間のジェスチャーをキャプチャする技術が民生用に活用された例として、Microsoft Kinectがアメリカで2010年11月4日に発売されている。ごくプリミティブなものでいえばWiiリモコン(2006年)なども挙げることができるほか、空想的なイメージで言うと「ソードアート・オンライン」の原作小説は2002年からウェブで連載されているため、身体全体または首周辺のキャプチャを行ってアバターを動かすという技術そのものはさほど突飛なものとはいえないし、また古くから[12](民生用ではないにせよ、少なくとも実験室レベルでは)実用化されてはいたものである。また民生用という意味で言えば、「にじさんじ」のアバター動作の技術的基盤となっているアニ文字(Animoji)がiPhone X(2017年11月3日発売)に搭載されたことも特筆される[13]。これはそもそもバーチャルYouTuberの登場を予期ないし予定した技術ではないものの、一般的に普及する端末で「やや立体的な二次元キャラクターを動かす」ということを可能にしたことで画期といえる。

とはいうものの、実際にそれが「バーチャルYouTuber」という形で結実するのは、2016年のキズナアイの誕生まで待たれることとなる。また、個人勢も含めた多様な「バーチャルYouTuber文化」とよばれるものが形成されたのは、ねこます(活動開始2017年11月9日〜)が2017年12月5日にネットライターのにゃるらによって紹介されたことによりバズったことをきっかけとするものであり[14]、これによって「バーチャルアバターがYouTubeなどで活動する」という文化が勃興し、この文化は、後述のように、2018年以降目まぐるしく展開していくことになる。

AVTuberの段階的発祥(2018年~2020年)

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黎明期におけるAVTuberの発祥と展開も参照。

バーチャルYouTuberの黎明期からアダルトコンテンツに親和性の高いバーチャルYouTuberは存在しており、2018年2月14日デビューの万楽えねなどが代表にあたる。この2018年は後に「バーチャルYouTuber四天王」と呼ばれる五人に加えて、にじさんじ一期生、ホロライブ0期生がそろい踏みするなど「バーチャルYouTuber元年」とも呼ぶべき年であった(それはまた、バーチャルYouTuberを題材としたR18二次創作もジャンルとして成立していったことを意味する)。

なお、デビュー直後の万楽えねは「喘ぎながら壺おじゲーをやったり」「性器を模したキャラクターが出てくるゲームをやって」その結果YouTubeチャンネルをBANされて、逆にそれで有名になっていたとの証言が残っている[7]。更に、それから約1か月後の2018年3月29日にバーチャルリアリティアダルト情報サイト「VR18」に掲載された記事BAN上等のバーチャル生エロ配信でFC2送りに!バーチャルYoutuber勃興期に股間を盛り上げるアダルトVTuber特集において、万楽えね、Karin(後のバーチャル風俗店X-Oasis経営者)、アンナ、ヨシヒ子の4人が「アダルトVTuber」として紹介されている[15]

こうして、実際の性行為を伴わないが性的表現・話題を積極的に扱う「プレAVTuber」とも言うべき配信者たちが規制に抗いながらも活動を始め、VTuberを扱ったR18二次創作も増加の一途をたどり、VTuber文化の中に「エロ」の要素が無視できない規模と勢いで拡大していったなか、2018年6月16日には同人コスプレAVで当時から広く名の知られた存在だったピンキーweb氏により、「架空のVタレント事務所・ポータルプロダクション」とそこに所属する「成人向けのお仕事」も可能な「架空のVタレント・つむぎ」の設定資料が公開され[8]、現在的な意味でのAVTuberの形が徐々に成立していった[16]

その翌2019年にAVTuberは更に大きく前進。2019年4月5日にポータルプロつむぎがデビューし、現在も続く「アダルトコンテンツを配信するVTuber」という意味での「AVTuber」の原形を示した。これは、確認できる限りVTuberの技術を使ってアダルトコンテンツを配信した最初の例と考えられている。

さらに、2019年7月29日に柚木凛がデビューし、万楽えね同様セクシー系VTuberとして活動していたが、翌2020年1月7日に「AVデビュー」を表明し、そのツイート内で「アダルトVTuber」の語を使用した[17]。更に同年2月10日には柚木凛の所属先であるえもえちプロダクションが「AVTuber」の語を自称として使い始めた[9]

一方海外では、2020年2月7日にプロジェクトメロディが配信を開始[18]し、VTuberの身体を持つカムガールという、日本で言うAVTuberと同等の活動を始めている。

AVTuberの発展(2020年~)

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2020年4月21日、PinkPunkProが設立。

2020年7月29日、バーチャル風俗店X-Oasisがサービス開始。

2021年10月、withnyがオープン。待ち望まれていた新プラットフォームが誕生した。

一方で2022年には、colorful magicが炎上の末、年末に活動休止を発表するなどトラブルも発生した[19]

2023年11月26日、withnyによる世界初のR18メタバースイベントwithny Festaが開催。

2023年12月31日には、英語圏で初の「AVTuber」を名乗るグループ・VAllureが始動。英語圏で「AVTuber」の語を使った初の例となった。

YouTube周辺から成人向けプラットフォームへの分化(2020年~2022年)

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AVTuberの配信場所や収益源は、当初からYouTube以外を模索する動きが強くあった。これは、成人向け表現やASMRに対するプラットフォーム側の規約運用が厳しいためにアカウントBANが頻発し、性行為表現をする以上はYouTube以外を模索せざるを得ないという構造的な問題に起因している。

この環境下で2020年~2022年にかけてのAVTuberが確立したのは、

  • 無料公開・健全寄り配信でリスナーを勧誘する場所……(YouTube、Twitchニコニコチャンネル(+含む)など)
  • 成人向け本編・有料配信・会員向けアーカイブを置いてマネタイズの主力とする場所……(FC2FantiaCi-enなど)

を分ける運用だった。これは規制逃れという一面はあるものの、プラットフォームごとの規約差を踏まえたビジネスモデルの最適化でもあった。YouTube中心で拡大発展した一般VTuberと異なり、当初から分散配信モデルで発展したという点に、AVTuberの歴史的・構造的特徴がある。

しかしながら、この分散配信モデルも順風満帆とは言えなかった。健全配信を心がけていてもYouTubeにおいては少なからぬAVTuberがBAN対象となり、TwitchはYouTubeよりはBAN率は比較的低めだがBANされないわけではない。またFC2においても従来から言われているコメント欄における「治安の悪さ」に加え2024年6月21日以降にあったBAN頻発問題によって(当該記事にて記載)一部のVtuberを除き退去が相次いだ。Fantiaもポータルプロ関係で原因不明の不可解な凍結が頻発するなど完全に安泰ではなく、Ci-enは規約上実写投稿を厳しく制限しているため2.5次元AVTuberは門前払いに近い。

このような中、移住先としてwithnyRPLAYは比較的安定しており、親AVTuber的な運営方針も相まって、AVTuber配信プラットフォームのデファクトスタンダードの地位を占めている。

withny・RPLAYの台頭とAVTuber経済圏・文化圏の確立(2023年~)

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※主に日本での状況を記述している点に注意。

2023年ごろからAVTuber史で特筆すべき点としては、withnyRPLAYのような親AVTuber的なプラットフォームの台頭が挙げられる。

「セクシーライバーへ新たな活動を、視聴者へもっとライバーと繋がれるエンタメを」というコンセプトを掲げるwithnyは、2021年10月のサービス開始当初はAVTuberに限らず成人向け配信者全般を対象に、リスナーが装着するおもちゃを配信者が操作する有料配信を基本に据えたサービスを展開していた。しかし2023年前半頃からAVTuberの無料配信(リスナー連動おもちゃを用いない)が増加し始め、それに伴いwithny側も従来のビジネスモデルからの転換を模索し始める。その結果が、2023年11月22日にリリースされた「キャストアイテム連動機能(キャストが装着したおもちゃをリスナーが連動させる)」[20]と、同年11月26日に開催されたAVTuberによるアダルト系メタバースフェス・第1回withny Festaだった(詳細は各記事を参照)。これらの施策によりwithnyは完全に「親AVTuberシフト」に転換し、以後「AVTuber配信プラットフォームのデファクトスタンダード」の地位を確立するに至る。

一方のRPLAYは「あなたの『推し』が見つかる! Vtuber、ASMRから同人音声まで推し活を楽しめるコミュニティサイト」というコンセプトを掲げ、当初からAVTuberにフォーカスした施策を打ち出している。RPLAYにはwithnyのようなキャストアイテム連動機能こそないものの、クリエイター支援のためのサブスクリプションを備えるほか、配信と並んでコンテンツ販売機能を軸とした収益構造を持っている。動画販売などにも注力したい場合は有力な選択肢となり、AVTuberの多様な収益構造の構築に寄与している。実際、こねくとぴあやえもえちプロダクションはRPLAYを積極的に活用して事業を展開している。

この「親AVTuber的なプラットフォームの台頭」はAVTuber史的にかなり重要である。なぜなら初期AVTuberは、YouTubeやFC2などの既存の配信基盤を「転用」して活動していた側面が強かった。これは既存インフラの多数のユーザー層をターゲットにできるメリットがある反面、界隈外部の論理による圧力に翻弄されるデメリットもあった(上記参照)。外部の論理に抗し得る安定的な活動環境の確保はAVTuberにおける構造的な問題として存在していた。

このような状況で台頭してきたwithnyとRPLAYは、AVTuber界隈における経済的・文化的構造を決定的に転換した。AVTuber優先の論理で動く配信・収益化インフラが確立したことにより、AVTuber界隈は小規模ではあるが外部から独立した独自の「財布」を持つに至ったのである。これにより成立した「AVTuber経済圏」は専用インフラを持つ独自市場へと変化し、外部の論理に対する強い抵抗力を持つに至った。この経済的な独立は文化的な自立を最終的に決定づけ、AVTuber文化を一般VTuber文化圏の「裏面」「派生」「周縁」から、異なる市場条件で別系統に進化した独自の「AVTuber文化圏」へと転換させた。

どの時点で「AVTuber」の初出と言えるか

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黎明期におけるAVTuberの発祥と展開も参照。

どの時点でAVTuberという現象の始点であるかについてはある程度論争がある。

VTuberの技術力という点では「つむぎ」よりも「プロジェクトメロディ」の方が優れているが、しかし「つむぎ」が性的な配信をしたことをもってAVTuberの歴史の始まりと考えるのが自然である。また、柚木凛の「AVデビュー宣言」から続くえもえちプロダクションの「AVtuberプロダクション設立宣言」は事例としては後発だがAVTuberを広く「自称」した初出であることを考えると、柚木凛の「業界初(日本初)のAVTuber」という名乗りは(自称としては初めてという点に着目した場合は)間違いではない。また、今日的なAVTuberの定義からはやや外れる2018年当時の万楽えねも、攻めた配信活動でAVTuber誕生に至る道を切り拓いたことは厳然たる事実であり、その歴史的意義は決して軽視してよいものではない。

また、AVTuberの歴史は特定のVTuber一人によって全てが始まったのではなく、

  • 2018年の万楽えねによってVTuber自身がエロを大っぴらに扱う流れが始まり
  • 2019年にポータルプロがつむぎをデビューさせたことによりAVTuberの基本的な概念が確立し
  • 2020年にえもえちプロダクションが柚木凛を企業勢アダルトVTuberデビューさせたことにより本格的にマネタイズが確立した

という、徐々にAVTuberが発祥していった「段階的AVTuber発祥論」とも言うべき見方を採ることも可能である[25]

言葉としての「AVTuber」の起源とジャンル定義語への変化

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AVTuberの歴史は上述のとおりであるが、言葉としての「AVTuber」は2018年頃にはTwitter上で自然発生的に使われていた形跡がある[26]。そして「AVTuber」の言葉のまとまった使用量での初出は、2018年2月14日にYouTubeに投稿された、ハロクリ所属企業系Vtuber・響木アオの自己紹介動画【自己紹介】響木アオです♡のコメント欄および同動画に言及したいくつかのツイートだと推測される[27]

なお、AVTuberではない響木アオの動画が起源となった理由は、この動画が「新人デビューしたセクシー女優へのインタビューシーン」そのままのフォーマットで作られていたためだと思われる。

ただいずれにしても、2020年2月以前の「AVTuber」は半ばネタ的、ダジャレ的なニュアンスのものであり、ジャンル定義語としての意味はほとんど持ち得ていなかった。

ジャンル定義語への変化

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2020年2月に柚木凛およびえもえちプロダクションがAVTuberを自称したことで状況は一変する。当初はえもえちプロダクション所属VTuberを表す言葉だった「AVTuber」は、えもえちプロダクションの影響力もあって徐々に界隈全体に広がっていき、遅くとも2022年ごろには「性的配信を行うVTuber全体を指し示す言葉」としてジャンル定義語へ変化していたと思われる。その根拠として、以下の事実が挙げられる。

  • 2022年6月のcolorful magic炎上事件の際、「業界初のAVtuber挑戦」と宣言したcolorful magic運営に対し「既にAVTuberとして活動している個人やグループは多数存在する」との指摘は多く寄せられたが、「AVTuberとは一体何か?」といった疑問や「AVTuberとはえもえちプロダクション所属VTuberのことである」との主張は殆ど見られなかった[28]
  • 2022年11月にAVTuberどエロライフ(現・えぶメディ)がサービスを開始した際、その名称に特段の疑問は持たれなかった。

なぜジャンル定義語として定着したか

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他に存在した「アダルトVTuber」「セクシー系VTuber」「エロVTuber」といった言葉ではなく「AVTuber」がジャンル定義語として定着した理由は、いくつかの複合的な要因が考えられる。

【言語学的な要因】
「AVTuber」という語句には以下のような特徴があり、類似名称と比較して選好されやすい性質を持っていたと考えられる。

  • 造語構造の柔軟性(生産性):「VTuber」は「V(Virtual)」+「Tuber(YouTuberの後半)」からなる複合語だが、この構造は前半(接頭辞的要素)を差し替えるだけで新しい概念を生み出しやすい「生産性」の高い型である[29]
  • 音韻的結合(オーバーラップ): 「AV」と「VTuber」は共通して「V」の音を核としている。この共通音を重ねることで、二つの語が滑らかに連結し、一つの単語として高い発音性(構音のしやすさ)と記憶の定着率を実現している。
  • 記号としての抽象化: 「エロ」や「アダルト」といった直接的な語と比較し、アルファベット2文字の「AV」は、成人向け映像コンテンツという広大な概念を短縮・記号化する力が極めて強い。この抽象化が、露骨さを避けつつ意味を即座に伝える緩衝材として機能した。
  • 重層的な語源(ダブル・ミーニング): 「Adult VTuber」の略称とも、「AV(アダルトビデオ)的要素を持つVTuber」とも解釈可能である。この意味の広がりが、同人AV、ASMR、シチュエーションボイスなど、多様な背景を持つ活動者たちの受け皿となった。
  • リズムと音節: 「A・V・Tu・ber」は日本語の開音節構造に馴染みやすく、4拍のリズムは小気味よく響くため、口語としての定着を早めた。

【AVTuber史的な要因】
2020年当時の界隈を取り巻く状況が、呼称の固定化に大きく寄与したと考えられる。

  • 「命名の真空状態」の存在: 2020年1月以前、先駆者である万楽えねやポータルプロ等は、特定のジャンル名を固定するよりも個別の活動スタイルを重視していた。ジャンル全体を統括する「旗印」となる言葉が不在の、いわば「命名の真空状態」にあった。
  • えもえちプロダクションによる定義の固定化: 史上初の(企業系)AVTuber事務所として登場したえもえちプロダクションが、自らのアイデンティティとして「AVTuber」を大々的に掲げた。成人向けメディアやネットニュース[30]を通じた高い拡散力により、同プロダクションの定義がデファクトスタンダードとして、先駆者たちの土壌の上に定着した。

「Adult + VTuber」か「AV + VTuber」か

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上述のように、「AVTuber」という言葉は「Adult VTuberの略称」としても、「AV(アダルトビデオ)的要素を持つVTuber」としても解釈可能な二重性を持つ。2026年現在のAVTuberの活動実態と照らし合わせた場合はどちらの解釈でも大きな齟齬は生じないが、「Adult(成人向け表現全般を扱う)VTuber」と解釈した方が、より広範な活動実態を包摂できる。

しかし、2018年から2020年にかけてのAVTuber黎明期においては、

  • 響木アオの自己紹介動画が「AVパロディ」的な演出だったことから「AVTuber」がミーム化した(2018年2月)。
  • えもえちプロダクションが公開した「AVtuberプロダクション設立のご挨拶」において、自らを「AVプロダクション」と説明した(2020年2月)。

などの事例のように、明確に「AVTuber = AV + VTuber」という解釈が主流だった。

現在のように「Adult + VTuber」という解釈が広がってきたのは、AVTuberの活動内容が多様化し、「AV + VTuber」という狭義の解釈だけでは実態を十分に反映できなくなったためである。つまり、AVTuberの活動多様化が、言葉自体の解釈の重層化を促したと言える。

AVTuber関連年表を参照。

AVTuber Wikiでの扱い

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AVTuber Wikiでは、自称の有無にかかわらず、「何らかのアダルトコンテンツを配信・販売しているバーチャルYouTuber」をAVTuberまたはその関係者として掲載しており、また、AVTuber本人のみならず関係者も掲載している。そのため、このWikiに収録されている人物は一般にAVTuberと呼ばれていない可能性もある。

一方で、個別記事では(できるだけ)自称を優先してAVTuberないしVtuberの呼称を使っている。そのため、個別記事では必ずしもAVTuberとして記載されているとは限らない(例えばRincaなどはXのプロフィールを優先してVTuber扱いとなっており、また、ささがにえんもは本人の指摘によりAVTuberではない扱いとなっている……が他AVTuberとのコラボの際AVTuberを名乗ったこともあり、このように呼称は必ずしも一定するわけではない)。

なお、掲載される人物については基本的に男女を問わない。

関連項目

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  1. 当初は「アダルトビデオ(AV)的なネタのあるVTuber」という意味も含んでいた。響木アオの記事も参照。
  2. 「AVTuber」の「Tuber」は「YouTuber」に由来するが、「Tuber」の言葉自体が「配信者一般」を指す記号へと変質している面がある。
  3. 逆にうっかり姿がネット中継に放映され、本人が追認するパターンも存在する。如月せり参照。
  4. https://avtuber.doerolife.com/what-is-avtuber/
  5. 2025年1月5日サービス終了。
  6. プロジェクトメロディは「3D Hentai Camgirl」と自称している。
  7. これは直そうとすると大変なので放置されている。
  8. 限定的ではあるが、相互に影響し合う面もある。
  9. 一般VTuber文化においてもリスナーとの親密な関係性構築は見られるが、親密さの度合いは一般VTuberより一層強い傾向にある。
  10. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E9%81%94%E6%9D%8F%E5%AD%90
  11. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B3%E8%B3%80%E3%82%86%E3%81%84
  12. 前述の「伊達杏子」も既にモーションキャプチャ技術を用いている。もっとも、一度動かすために数百万円の経費がかかったといい、個人で参入するにはハードルが高かった。現在も複数人同時に、タイムラグや処理落ちをせずモーションを全て拾うためには一度の使用料が数百万円かかるような大がかりなスタジオが必要であることには変わりない。
  13. また、当初にじさんじはこれを公開のアプリとして誰でもバーチャルのアバターが動かせるようにするという構想であったが、後に方針を変更している。
  14. それまでキズナアイは「サイバーパンク」的文脈によって、日本というよりはむしろ海外の視聴者によって「発見」され、かつ支持されてきた歴史がある。この点で言えば、2017年末〜2018年初頭にかけての「日本人ユーザーによるキズナアイの“発見”」は海外に後れを取っていた。
  15. ただし紹介記事の内容から判断して、実際に性行為を行う配信者として「アダルトVTuber」を定義しているわけではないと思われる。
  16. ポータルプロはこの2018年6月16日を「設立記念日」としている[1]
  17. 柚木凛 2020年1月7日のツイートにて[2]
  18. アカウント登録は2019年7月7日に行われている。
  19. https://yutura.net/news/archives/85457
  20. 当初は「”さくらの恋猫アイテム連動”機能」としてリリース。
  21. デビュー日を基準と考えて始点を4月5日と考えることもできる。
  22. https://x.com/Rin_Yuzukich/status/1214526663582597120
  23. https://www.excite.co.jp/news/article/E1587633926106/
  24. こちらもプロジェクト開始を基準とすると2019年7月7日となるが、いずれにせよ「つむぎ」より後である。
  25. ただし当時の一次史料がポータルプロ関連のものを除き散逸が激しいため、客観的に論証することは難しい。
  26. [3][4]など。
  27. この日以前のTwitterでは、同年1月26日のツイート[5]や同年2月4日のリプライ[6]が単発的に存在する。
  28. 「えもえちプロダクションのほうが先行している」との指摘は寄せられている。
  29. 本来「Tuber」はYouTubeを前提とするが、2019年頃からプラットフォームを問わず「配信者一般」を指す記号へと変質が始まっており、これが「AVTuber」という派生語の成立を後押しした。
  30. 業界初の“AVTuber” 柚木凛とプロデューサーが語る「VTuber×エロ」の裏側など。